月経痛を訴える女性は年々増加傾向にあるようです。
私は男性で女性の方には申し訳ないですが、痛みの度合いがわかりません。
しかし、もし男性がこの痛みを経験すると、気絶してしまうと聞いているので、相当辛い痛みであることが想豫されます。

痛みが起きる人と起こらない人がいるのはなぜか。そして薬を使わずに痛みを緩和する方法。
少しでも楽になっていただけるよう書きます。

 

 

月経痛はなぜ起きる?

月経痛の原因を一つに断定することはできませんが、大きな原因と言われているのは、プロスタグランジンという発痛物質によるものです。

月経の少し前から、月経の終わりにかけて、プロスタグランジンは分泌されていきます。ではこのプロスタグランジンが痛む原因なのであれば、分泌しなければいいのではないかということですが、そういうわけにはいきません。

「プロスタグランジン」は子宮の収縮を促進して、月経時の血を身体の外に押し出すことに関与しています。
薬はほとんどの場合こういった物質の分泌を無理やり止めてしまいます。当然痛みはなくなるのですが、必要な物質の分泌も止まり、副作用が起きます。

月経痛を強く感じる女性は、月経痛があまりないまたは全く感じない女性と比べると、この「プロスタグランジン」の分泌が多いことがわかっています。

 

 

「このプロスタグランジンが多く分泌される人とされない人がいるのでしょうか。」

先ほど書いたように、発痛物質でありながら、人体にとっては必要不可欠な物質です。理由があって分泌が多くなされています。

血を外に押し出そうと、子宮が収縮するには酸素と栄養が必要です。子宮に限らず、筋肉が収縮するにはエネルギーが必要です。その酸素や栄養を運んでいるのは血液です。しかし、血流が悪いとエネルギー供給量が少なくなり、子宮筋は十分に収縮できません。うまく収縮ができなければ、血を外に押し出せなくなってしまいます。

 

そういった状況化で活躍するのが、プロスタグランジンです。プロスタグランジンは血管を拡張する作用があり、血流を促進させます。
栄養はたくさん送るようにサポートしてくれます。

 

とてもいい働きをするのですが、どうしても発痛物質のため痛みを引き起こします。
まとめると、血流が悪いため、血液をよりよく流そうとして分泌を促進させ、痛みが起きるということになります。

 

月経痛は、プロスタグランジンが悪いのではなく、プロスタグランジンが分泌されなくてはいけない状況にあることが根本的な原因です。「血流が悪い」が原因です。

 

血流が悪くなる原因は様々ありますが、多いのはだいたい「冷え」です。
最近月経痛を訴える女性が増加傾向にあるのは、血流が悪い女性が増えてきているのかもしれません。

 

 

薬で冷えが増す!?

月経痛にかぎらず冷えは様々な疾患の引き金になりやすいです。

痛み止めの薬の多くは、先ほど書いたように、プロスタグランジンの分泌を抑制することで痛みを和らげます。
しかし、プロスタグランジンには血管拡張し、血流を促進させる働きがあるので、
分泌を抑制させると、もともと栄養が行き届いていなかった子宮に、さらに追いうちをかけることとなります。

血流が悪い部分は冷えると思っていただいてかまいません。
痛みはとめても、薬によって子宮が冷え、他の新たな症状の原因にもつながります。月経痛がひどくなったり、腰痛や胃腸痛などの症状が出現することもあります。

 

しかし、月経時の痛みというのは本当につらいと思います。男性で痛みがわからず申し訳ないのですが、単純に薬をやめればいいといったことではないと伝えています。痛みよって別の症状を引き起こすこともあるため、痛みを和らげるという薬の効果はすばらしいと思います。ただ、薬はその時の一過性の鎮痛作用であり、根本的な解決法ではないことを知った上でうまく利用していただきたいです。

薬をうまく併用しながら、冷えの改善、プロスタグランジンの分泌のバランスを整えていくことが大事です。
月経前から子宮筋に十分酸素や栄養が行き届いていて、血流も十分である場合、プロスタグランジンは必要ではなくなるため、分泌されることはありません。月経痛がない方は血流がいいんです。

すぐに体質は改善されていきません。時間をかけて冷やさない体を作ることが大事です。

 

経穴を使ってセルフケア!

体を温めることがまず大前提ですが、ここではツボを使った方法をご紹介します。

経穴は古い歴史があり、効果の信憑性を裏付ける実験がたくさん行われています。メカニズムがすべて解明されているわけではありませんが、なぜ効くかの根拠が少しずつ紐解かれてきています。とにかく理論より効果があるなら試さない手はないでしょう。

紹介するツボに市販でも買えるお灸や円皮鍼を貼るだけで大丈夫です。
役立ててください。 

「三陰交(さんいんこう)」

足の内くるぶしから指を四本分上に進んだ骨のキワです。少しだけですが、ヘコみが感じられたらそこが場所となります。

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月経痛だけでなく婦人科系の疾患に幅広く使えるツボですので覚えておくと便利です。

 

 

 

 

「血海(けっかい)」

膝のお皿の内側、上の角から指三本分ぐらい上がった場所です。

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名前の通り血に関するツボです。血の滞りを取りのぞき、血流を良くします。月経時にはよく使われていますよ。

 

プロスタグランジン補足

プロスタグランジンは自律神経とも深い関係があります。副交感神経(リラックス状態)を優位な状態にしてくれる働きもあります。
交感神経(興奮状態)が優位だと血流は悪くなります。ストレスで興奮状態が続くと血流が悪くなります。
その状態をプロスタグランジンが副交感神経優位に戻し、バランスを整えてくれるそうです。

人体にある物質はまだまだ意味がわかっていないものや、メカニズムがわからないものが多くあります。この物質はこの働きというふうに断定できるものは少なく、ほとんどが精密で織り混ざってそれぞれ作用しあっています。
一見痛みをおこしてやっかいだと思うプロスタグランジンもその一つ。それぞれがバランスをとって共存しています。
健康は身体全体をみていくことが大事ですね。