以前からずっと議論されていますが、「肉を食べない方がいい説」と、「肉はむしろ食べた方がいい説」は未だにまとまっていません。結局何が正しいのかよくわかりませんよね。
私は以前、1年間かけて肉を一切食べない生活をしました。その体験もふまえて、肉のいったい何が悪いのか等を正直に書いていきたいと思います。現在は少し食べるのですが、あまり多くを食べることはありません。肉を完全にさけるには相当難しいです。外食に行けば、ベジタリアンメニューがない限り、ほとんどの料理に肉が使われています。また、肉が入っていないとしても、牛肉エキスや鶏ガラなんかが入っている場合もあるため、完全に避けて食事をする場合は自分で作るしかないですね。私は1年間は絶対に続けるぞ!と思い達成させがんばりましたが、結論から言いますと、そこまでする必要はまったくありませんでした。
肉は食べても大丈夫です。別に悪ではありません。逆に言えば、食べなくても大丈夫です。

 

(肉と言っても魚介類は食べていました)

 

肉より効率のいい食べ物がある

「肉をしっかり食べなきゃ元気にならないよ!」こういう会話をよく小さい頃からよく聞かされていました。肉は絶対に必要であると思い込んでしまっている人も多いのではないでしょうか。

タンパク質の不足を気にされる方が多いと思います。もちろん、肉も食べずに、他にもタンパク源を摂らなければ当然健康に害をもたらします。
そこでおすすめ食材は、みなさんご存知、「大豆」と「卵」です。

まずは大豆からみていきましょう。ご存知の通り、豆類にはタンパク質がたくさん含まれているんですね。代表的な大豆はやっぱり納豆。納豆が嫌いな人はともかく、好きなら比較的摂取しやすいですね。
実は栄養学的に、最終的に体内で利用されるタンパク質の量は、牛肉よりも納豆のほうが多いんです。肉を食べないと不足するのではないかとよく言われる、必須アミノ酸(トリプトファン)、これも同じ質量に対して、なんと大豆の方が牛肉より多く含まれています。

そして一番効率のいい食材はなんといっても卵です。卵は唯一アミノ酸スコアがすべて満たされている食材です。タンパク質量も豊富である上に、ビタミンも摂取できるため、3つでも4つでも積極的に食べたいものです。

卵にまつわる話でよく聞くのが、卵は「1日一個しか食べてはいけない」です。これは実はあまり信ぴょう性のない話なんです。コレステロール値が上がるということがうたわれているかと思いますが、実験データはすごく曖昧です。実験対象に動物を使うわけですが、これがなんと「うさぎ」です。うさぎってそもそも草食動物ですものね笑
しかも、実験時に1日に与えるたまごの量の割合が、人間の体の比率に換算すると、たまご10個分になるそう。一ヶ月後にうさぎのコレステロール値が上がったということですが、当然上がりそうですね。人間で再実験したところ1ヶ月後には全くコレステロール値は変わらなかったそうです。

少し話がそれましたが、1日のタンパク質量を補う心配は、他の食材からでも十分摂取できます。肉は他の食材と比べ、消化にたくさんのエネルギーを使います。焼肉の後はぐったり疲れる理由はこれですね。当然疲れることで眠くなりますので、朝から肉類が多いと昼間の活動性が鈍くなってしまうわけです。

 

一年間肉を食べなかったらどうなった?

冒頭でもかいたように、私は1年間肉を食べすに過ごしました。(魚介類は食べています)具体的にどのように変わったのか書いていきます。

まずは先ほど書いたように、肉を食べないことにより消化のストレスが少ないため、エネルギー消費が少なく、昼間眠気に襲われることが少なくなりました。その分、活動時間、作業効率があがります。実は、エネルギー消費量で大きいのは、活動時の筋肉の動きより、消化や代謝の方が大きく消費します。あまりイメージはつかないかもしれませんが、寒いところにずっといると、疲れがどっと出るのも、そういった人間の環境適応にエネルギーを使うからなんです。

次に、便通がとてもよくなりました。消化管にストレスをかけないことで肌環境も少し良くなったように思います。
よく肉を食べなくなってから、体臭が少なくなったとおっしゃる方もいますが、私の場合、自分自身ではわからなかっので、その点は不明です。

メリットばかり書きましたがもちろんデメリットがあります。
それは本当に食事に困るということにつきます。避けて生きるのは正直相当つらいです。ベジタリアンメニューがない限り外食ではほとんどお肉が使われています。
スーパーに買い物に行く時も買えるものは限られます。入ってないと思い裏面を見ると肉エキスが使われていたりと、逆にストレスになって身体壊すかもしれません。
また、付き合いで食事にいけなくなってしまうなんてことになると、本末転倒ではないでしょうか。

いろいろ調べてみたのですが、日本では肉をやめるのが難しい環境にあるようです。アメリカのスーパーではWhole Foods Marketというオーガニック食材のコーナーがあったり、レストランでもオーガニックメニューがあったりします。アメリカなら実現できそうですが、今の所日本にいる以上、肉を完全に避けるメリットはないように思います。もちろんアメリカは他民族移住地で宗教上の問題もあるでしょう。

 

まとめ

「肉は食べてはいけない」というふうにおっしゃっている方もいますが、肉に悪いものが入っているからではありません。上手に付き合っていくのがいいかと思います。

最後に、こんな書き方をしてしまうと、「肉は悪」みたいになりそうですが、
家畜を育てるにに必要な穀物などは、人間の4〜10倍必要となってきます。計算すると、我々が食べる肉の1kgを生産するには、牛肉で11kg、豚肉では7kg、鶏肉では3kgの雑穀が必要ということになります。もちろん正確な数字といったわけではないですが、我々はいったん家畜に穀類を食べさせてから、その後に我々人間が肉を食べるという、エネルギー的に非常に効率の悪いことを行っています。地球環境負荷も大きいことでしょう。

肉をというのはもはや嗜好品に近いかもしれませんね。