表情筋(顔の表情を作る筋肉)は特別な構造をしています。と言いますのは、いわいる腕の筋肉などの骨格筋のように骨と骨で付着しているわけではなく、皮膚に付着しているからです。表情筋はそれういった構造をしているからこそ、「表情」というものが作れます。例えば、他の動物たちは人間ほどたくさんの表情筋を持ちません。犬と猫を比べてみると、犬のほうが表情があるように感じますよね。これは表情筋の数の違いで、猫の表情筋は犬より少ないんです。猫は無表情で感情がないように思われがちですが、実は喜んだり、怒ったりしているのかもしれません。

「表情筋」は顔のシワと大きく関係がある事がわかっています。なぜ「シワ」ができるのかについて書いていきます。

 

シワは表情筋の萎縮やコリが原因!?

よくお客様から、マッサージをして顔の筋肉が緩む(ほぐれる)と、顔全体がたるんでしまうのではないかとおっしゃられます。それは、実は逆なんです。シワができる場所は、筋肉ではなく皮膚組織に生じます。先ほど記載したよう、表情筋は皮膚に付着するので、筋肉がコリ固まることで、付着部の皮膚は引っ張られることとなります。引っ張られることで、行き場をなくした皮下脂肪がかたより、これがたるみを作ります。たるみができると、その部位は重力によって垂れ下がり、そこにしわが出来るというわけです。シワというのは皮膚(コラーゲン繊維)の変性によって生み出されるのです。

よって表情筋というのは、鍼やマッサージで柔らかくほぐしてあげる方がいいんです。
また、筋肉は使用頻度が少なくなると萎縮していきます、表情筋も同じで萎縮し小さくなると、たちまち付着部の皮膚をひっぱることになります。これは老化で表情筋がやせてくることが大きな原因ですが、表情筋のトレーニングなどを行ったり、鍼やマッサージで血流を促進することで、萎縮を防ぐことができます。

 

シワは治る!?

それでは、表情筋を鍛えたり、表情筋を鍼やマッサージで緩めてあげる事ですぐにシワは取れるのか?という事なのですが、残念ながら、すぐにはとれません。浅いシワであれば、表情筋が緩むことですぐにとれることもありますが、深いシワであればあるほど、すぐにはとれないんです。深いシワは皮膚組織の変性をきたしています。変性を修復するには時間が必要ということです。

「ターンオーバー」という言葉があります。これは皮膚細胞が、新しく生まれかわるサイクルのことです。個人差がありますが、だいたい28日~56日程度で新しい細胞に生まれ変わると言われています。年齢を重ねるほど、サイクルが遅くなります。

深いシワを消したい場合は、まずは、表情筋を緩め、皮膚の引っ張りをなくす状態をキープすることが大事です。そして、そのいい状態のままでターンオーバーを過ごせば、皮膚は修復され、シワは消えていきます。線維芽細胞という細胞が皮膚を構成していきますが、鍼では血流を促進し、細胞の活性化を促すことができるので、表情筋を緩めるだけでなく、ターンオーバーにも貢献するというわけです。

 

流行りのボトックス注射はボツリヌス菌を弱毒したもの

最後に少し余談ですが、今流行りのボトックス注射について書きます。ボトックス注射は美容整形等で行われています。注射を打ってシワをとるという手法ですが、これも原理はまったく一緒で、実は表情筋を緩めているんです。ボトックス注射はボツリヌス菌を弱毒したようなものです。ボツリヌス菌といえば非常に危険な菌ですよね。この菌は神経毒を出し、筋肉を麻痺させ弛緩させます。この神経毒の麻痺作用を利用しています。危険なのは神経毒が呼吸筋を麻痺させ呼吸が止まるからです。もちろんボトックス注射は人体に悪影響がないように研究されたものを使用していますが、賛否両論分かれているようです。表情筋が緩むことが、いかに重要であるかがわかる一例ではないでしょうか。美容鍼は副作用がない施術方法です。まだ美容鍼を経験したことがない方は、一度経験されてみてはいかがでしょうか。